
胃、膵臓、脾臓、腸などから出た血液は、門脈という血管を通り肝臓に行き、肝臓で腸から吸収されたアンモニアや細菌の毒素が無毒化され、肝臓自体の働きや栄養にも重要な役割を果します。
その門脈に、シャント(短絡)があり、本来肝臓に行くはずの血液が肝臓にいかないことで毒素による神経症状(肝性脳症)や肝臓萎縮による肝障害症状が発症する疾患です。
この疾患は、人では稀ですが犬では多くみられ、猫でもみられる疾患です。
当院では、この疾患についての紹介症例も多く、診断や先天性門脈シャントの手術を多く行っています。
― 先天性門脈シャントの手術例数2011年12月現在184例 ―
〈当院での門脈シャントの診断〉
門脈体循環シャントは、先天性門脈シャントと多発性(二次性)門脈シャントの2つのタイプがあります。
血液検査、レントゲン検査、エコー検査などで門脈シャントを疑った場合、まずCT検査により、先天性門脈シャントの有無、形態について確定診断を行います。
先天性門脈シャントの場合、手術により多くの症例が改善できるので、後日、手術を行います。
先天性門脈シャントが認められず、多発性門脈シャントを認めるか、疑った場合、あるいは門脈シャントを認めなかった場合は、その原因の肝臓疾患について診断する為に、CT検査に続けて腹腔鏡により肝臓の観察や肝生検を行い組織診断を行うようにします。
〈当院での門脈シャントの手術〉
デジタルX線透視装置(Cアーム)を使用し、より明瞭な門脈造影を行い、適切なシャント血管に対する処置を選択し、その閉鎖を行います。
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| 先天性門脈シャント CT画像
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手術風景
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門脈撮影画像
(シャント血管閉鎖前)
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門脈撮影画像
(シャント血管閉鎖後)
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多発性門脈シャント
(腹腔鏡下肝生検)
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近年、ミニチュア・ダックスフンドの増加により、この病気は急増しました。その他の犬種でも発症し、疼痛症状から、重症では頚部ヘルニアの場合、前後肢の麻痺、胸腰部ヘルニアの場合、後肢の麻痺という神経障害を発症します。
当院では、CT・MRIの画像診断から、手術を行っています。(手術件数 年間約80症例)
椎間板ヘルニアの画像診断 脊髄造影によるレントゲン検査、あるいはCT検査が一般的ですが、当院ではMRI導入後、少なからず侵襲がある脊髄造影を行わず、単純CT検査(造影を行わないCT検査)とMRI検査を実施し、その診断を行っています。
手術 手術は、手術用顕微鏡を用いて行い、骨切削には、超音波骨メスを用い、より安全で精度の高い手術を行っています。
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| MRI画像 |
CT画像 |
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| 手術風景 |
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超音波骨メス(SONOPET)により、
骨(2本)切削 |
ヘルニア物質除去手術中 |
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| ヘルニア物質除去後 |
術後のレーザー温熱治療 |

骨折手術にはプレート固定法、創外固定法、ピンニング法、インターロッキング法と各器具があり、骨折の状態により、手術法を検討し実施しています。
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| トイ犬種の前肢骨折 |
プレート装着 |
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| トイ犬種前肢骨折 ゆ合不全 |
ライズ・チューブラー 創外固定 |
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| 猫 後枝骨折 |
インターロッキングネイル固定 |
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| ゴールデンレトリバー 上腕骨折 |
インターロッキングネイル固定 |
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| 骨盤骨折 |
骨盤骨折プレート固定 |

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腹腔鏡手術は人の医療では広く行われていますが、専用の器具・機材とトレーニングが必要なため、動物医療ではまだ一般的ではありません。
しかしながら、開腹手術に比べ、必要最小限の小さな傷で手術ができ、ワンちゃん、ネコちゃんに対する負担も少なく済むため、検査や手術に徐々に利用され始めています。
避妊手術の場合は、腹部の3箇所に0.5〜1.0cmほどの切開をして、そこから特殊な器具とスコープを差し込み、高性能なカメラが捉えた映像を見て器具類を操作し手術をおこないます。 |
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LigaSureベッセルシーリングシステム
腹腔鏡下で血管の閉鎖・切除を行なう最新の装置です。この装置を用いることでより安全で信頼性の高い腹腔鏡下での手術が可能となりました。
この手術ができない場合もあります。
- 呼吸器、循環器の病気を持っている場合
- 発情出血が認められる時期や偽妊娠で乳腺が腫れている時期
- 卵巣や子宮の病気(卵巣腫瘍、子宮水腫や子宮蓄膿症) を持っている場合
スコープで見て初めて分かる卵巣子宮の異常もあり、卵巣と子宮の状態によっては、開腹手術に切り替える場合や、卵巣と子宮を摘出する一箇所の切開を少し大きくする場合があります。
手術を行う際には術前検査(血液検査、レントゲン検査)が必要となります。腹腔鏡下での避妊手術はご希望の方に実施させていただいております。希望される場合は、事前に診察を受けられるようお願いいたします。
ご不明な点は、当院のスタッフにお気軽にお尋ねください。 |
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手術後の傷の状態です。
腹部の3箇所に0.5〜1.0cmほどの切開をします。 |
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